ocr-generated 梅 辻家住宅
梅辻家は、代々上賀茂神社に仕えていた社家で、上賀茂社家のう
ち神主節である「賀茂七家」の一つに数えられていた。
現主屋の建築年代は不明であるが、天保9年(1838)ころにはほぼ
現在の形になっていたものと思われる。
建物は居室部と座敷部とからなる。居室部は、正面に入母屋造の
式台を付属し、表面は小屋裏まで立ち上げた柱と水平に通る賞とで
節の社家住宅としての体裁を整え、また西面には鳥居形の内玄関が
開き、供待ちの腰掛けが付く。座敷部は座敷と次の間からなり、座
数は北面に押板風の床の間、東面には付書院を備えて花頭窓を開き、
天井は床指しの樽縁天井を張る。この座敷部は、確証はないが、御
所の学問所を移したものであると伝えられ、古式で格式を備えた意
匠をもっている。
梅辻家住宅は、建築年代やその後の改変について不明な点が多い
ものの、「賀茂七家」のなかでは現存唯一の遺構であり、なかでも座
数は立派で、上賀茂の社家住宅の代表例として貴重であり、昭和61
年6月2日、京都市指定有形文化財に指定された。
京都市
©WAWA
梅辻家住宅 京都市北区上賀茂北大路町39 |