ocr-generated 多摩市指定有形文化財
「旧 多摩 聖蹟 記 念 館
めい じてんのう
うさぎが)
あゆりょう
おとず
ぎょうこう
せいせき
きねん ひ
いぎょう たた
くないだいじん た なか みつあき
けんせつ
せきね ようたろう
「しょとう
けんちくかくしん めざ
明治10年代、明治天皇が30才の頃、ここ連光寺の山や多摩川に鬼猟や鮎漁を行うため、4回ほど訪れました。
時の天皇が行幸された地を「聖蹟」と呼び、全国的に多くの記念碑がみられます。
この記念館は昭和5(1930)年に、明治天皇の偉業を讃えるため、元宮内大臣田中光顕が中心となり、当時の
人々による土地の寄付や工事の協力などによって建設されました。
「聖蹟桜ヶ丘」という駅名は、この建物の名前をもとにつけられたものです。
この建物を設計した関根要太郎は、20世紀初頭にヨーロッパでおこった建築革新を目指す運動に関心をもった
建築家といわれています。大正末期から昭和初期にかけての日本の近代建築は、鉄筋コンクリート構造の急速な
普及に加え、外観のデザインとして欧米の古典主義的なものから、モダンデザインのものまで、さまざまな様式
の影響を受けた建物がみられます。
この記念館は、オーストリアでおこったセセッションと、ドイツのユーゲントシュテイルと呼ばれる建築デザ
インの影響をみることができます。数少ない多摩地域の近代洋風建築の中でも完成度が高く、最も優れたもので
こうぞう
きんだい
たいしょうまっき
きゅうそく
ようしき
おうぺい
こてん しゅ き
えいきょう
あります。
ほぎんこうかい」
pうこう
ぶんかざいほ ご
きちょう
このように貴重な建築作品であることから、文化財保護の目的に沿って保存・公開すると同時に、建物の有効
かよう
活用をはかるため、ギャラリーとしてもご利用いただくことができます。
昭和61年6月24日指定
多摩市教育委員会
旧多摩聖蹟記念館 |