ocr-generated お多福弁天の由来
昔、下板橋のあたりはさびしい所でした。
こには古い古い沼がありました。
人々はそれを「お多福弁天沼」とよんでいました。
お願いするとたくさんの幸福をさづけて下さる弁天様が
様
弁
天
こ・にまつられていたからです。
昔は谷端川を守って下さる弁天様ということで
「橋かけ弁天」と言われていたようです。四百年以上も
昔のことです。甲斐の武田家の家臣の池田内匠が守り
本尊の弁天様をこ」に移して祭ったのがはじまりだと
いうことです。
沼のまわりにはたくさんの「つげ」の木が茂っていました。
又、沼には弁天様のお使いといわれる、白蛇がすんでおり、
その白蛇を見た人々に幸福をあたえて下さったと伝え
られております。
まここ
今ではもう誰もその白蛇を見た人はおりません。
明治二十一年に造られた石の祠に弁天様だけがひっそりと
まつられています。
一九九二年十月吉日