ocr-generated 庚申塔
この庚申塔は正徳六年(一七一五)、高円寺村の講中十人が、悪病退散・
村氏安全を願って建立したものです。
まら
庚申塔は庚申待供養のために、江戸時代さかんに建立されました。本
ょうめんこんごう
みるきかざる いわざる
尊は青面金剛が多く、不見、不聞、不言の三猿が刻まれていることもあ
ります。
庚申待とは庚申信仰の行事の一つで、六十日に一回めぐってくる庚申
かのえさる
の夜に、講中の人々が集まって、寝ずにお経を唱えたり、酒食を共に語
り合いながら一夜を過ごしたといわれています。
当初は現在の場所で真南に向って鎮座していましたが、大正十二年
(一九二三)の関東大震災で横転してしまい、その後西向きに建立され
ました。
また、昭和二十年(一九四五)の東京大空襲の際には、戦火によっ
て塔の一部が破損しました。現状の如く修復されたのは昭和三十七年
(一九六ニ)のことです。
現在も、庚申通り商店街の守り本尊として、地元の人々に朝夕熱心に
信仰されています。
平成二十七年六月
杉並区教育委員会