ocr-generated 昭和五十六年一月三十一日指定
市指定有形文化財
八幡神社 獅子頭雌雄一对
草加市高砂ニーニO
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この雌雄一対の獅子頭は、高さ八十センチ、幅八十センチ、
興行八十七センチもあり舞に使われる獅子頭と比較すると、大
型で重量もあり、獅子の胴衣をつける点もなく、獅子頭として
神幸に供奉したものである。しかし、現在では山車に乗せて曳
いたという以外に伝承は残っていない。
かかる大型の頭では、重量の関係もあり彫技に変化をつける
ことは至難であるが、江戸末期の平面的な技法によって構成さ
れている。この彫工も男獅子の角には、かなり苦心したらしく
宝珠との釣り合いもあり、中央に一角の太い角は、獅子の頭部
の一部が岩のように盛り上がったごとく彫り込んであるが、獅
子の角としては珍らしい手法である。塗りは、布着せ黒漆塗り
とし、唇・昇の六・舌は朱漆塗り。巻毛・耳・宝珠等は金箔押
とし保護のため生漆をかけてある。本体は寄木工法からなり、
材は稽であろう。歯は上から二本の牙がでて歯の並びに変化
を与える古い手法を用いている。
このような大型の獅子頭は、遺構も少なく貴重なものである。
草加市教育委員会
昭和五十六年三月