ocr-generated 部 市指定民俗文化財
瀬崎の富士行及び富士塚
平成二十六年一月二十四日指定
草加市瀬崎三丁目二番二十四号
富士山を信仰する人々で組織された富士講は、各地で独自
な展開を見せてきましたが、草加市域では旧瀬崎村で「富士行」
と呼ぶ一連の行為を伝え、今なお受け継がれています。
「富士行」は、富士山頂で神霊に祈誓を捧げることのほか、
地元では元日と七月一日(富士山の山開きの日)は浅間神社
の拝殿で、その他の月は社務所で「オツタエ」と呼ぶ富士の神霊
を称える﹑言が節を付けて唱えられます。
富士講の隆盛は、富士登山者の増加をもたらしましたが、
当時の富士山は女人禁制で、しかも往復に相当の日数を要し
たため、容易に登れる山ではありませんでした。そこで、誰
もが身軽に登山できるように築かれた富士山を、富士塚と
呼んでいます。
瀬崎の富士塚は大正五年(一九一六)八月に竣工し、地元は
もとより、近隣の富士講の講員が今なお巡拝に訪れています。
各地の富士講・富士塚が廃れていく中、往時に近い形で今
に伝わる瀬崎の「富士行」・「富士塚」は全国的に見ても貴重
な存在であり、大切な文化遺産となっています。
※富士塚の規模 高さ約四m、横幅十・四m、奥行八・八m
平成二十六年六月
草加市教育委員会