ocr-generated 被災と修復
「昭和20年(1945)の空襲で焼夷弾が
八卦堂を直撃し、八卦堂は全焼、弘道
館記碑の碑身(碑文の刻まれた石)は
倒れることはありませんでしたが、亀
裂や欠失、表面の浮き上がりを生じる
など大きな被害を受けました。
戦後は露天にさらされていました
が、昭和28年(1953)に八卦堂が復元
され、このとき弘道館記碑の碑身は両
側面・上面・背面を厚さ約45cmのコ
ンクリートで包まれ、台石は側面を厚 財団法人美術院による修復(正面と右側面)。側面の右側が背面コンクリート部分です。
さ約26cm、上面を約10cmのコンクリートで覆われ、保護されました。
昭和47年(1972)には、碑身の修復として、の背面を除くコンクリートの除去、2碑身表面の剥離止め
に樹脂溶液を塗布、表面の浮き上がった部分の下の空隙に樹脂を充填、正面左上の欠失箇所を樹脂
で整形、の亀裂に樹脂を充填、6側面・背面のコンクリート部分はFRP(繊維強化プラスチック)で包
んで補強して樹脂で塗装、がなされました。
平成23年(2011) 3月11日の東日本大震災で碑身の一部が崩落、動かすとさらに全体が崩壊しかねない
という状況でした。戦時中の八卦堂の火災により高熱にさらされ、亀裂が生じていたことが被害を大き
くしました。今回の修復工事では背面コンクリートや台石を覆っていたコンクリートを除去し、本来的
な形態に近づけました。失われた部分もありましたが、樹脂などを用いて石碑を強化し、できる限り被
災前の状態に戻しました。次に修復工事の様子を詳しくみて
みましょう。
詳細
右側面
正直