龍王山宝性寺
四日市市指定有形文化財(建造物)昭和52年10月6日指定
宝性寺には、享保4年(1719)の棟札が残っているが、鬼瓦には
「文化十一年正月吉日」の刻銘があるので、現在の本堂は同年(1814)
頃に建立され、棟札はおそらくそれ以前あった堂のものと考えられて
いる。
本堂は重層で、主屋の規模は三間四方の四周に縁庇を付け、正面に一
間向拝を付設した入母屋造・本瓦葺の建物である。向拝周り、内外陣境
の細部、彫刻などは派手なもので、建立の時代の好みをよく反映してお
り、比較的均整のとれた力作で、大工あるいは彫物師の技量の良さがう
かがえる。
言い伝えによると、宝性寺は天平12年(740)に聖武天皇の勅願によ
って創建されたのが始まりであるが、永禄11年(1568)に織田信長の家
臣滝川一益の伊勢長島一揆攻略の戦火に遭い焼失した後、小堂が建立さ
れ、正徳元年(1711)に再び焼失したという。
平成二十五年三月 四日市市教育委員会