ocr-generated 所在地 久喜市本町七ーニーニ八」
こがくぼうしかがしげうじ
甘学院は、臨済宗円覚寺派に属する寺で、山号を永安山と称
し、本尊は釈迦如来である
古河公方足利成氏の子政氏が永正十六年(一五九)当所に
移り住み館を寺とした。開山は政氏の子(一説には弟とも言う
の貞巌和尚である。天文十七年(一五四八)火災のため堂宇を
焼失しているが、翌十八年再建され、天正十九年(一五九)
には、徳川家康より寺領百石の朱印地を賜っている。現在の寺
域はおよそ七千五百平方メートルで、空堀がめぐらされ、土塁
も一部残されている。
境内には足利政氏の墓があり、高さ百十三センチメートルの
五輪塔には「享禄四年(一五三1)七月十八日甘楽院殿吉山道
長大禅定門」と刻まれており、館跡と共に県指定史跡にな
いる。
また、同寺には国指定重要文化財紙本着色伝貞藤和尚像が
る。この画像には「月庵作源直朝」の落款があり、作者は戦国
時代の幸手城主で、歌人でもあった「色直朝である。そのほか
歴代住職の頂相や絹本着色足利政氏像、国認定重要美術品の十
三仏版木と九曜菊散双雀鏡など貴重な文化財が所蔵されている。
昭和六十三年三月
久喜市教育委員会