ocr-generated 市指定重要文化財(建造物)
時宗級碑二基
板碑は、鎌倉時代初めの嘉禄(二二五)頃から、
近世初頭の天正、文禄(一五七二~一五九五)頃まで
の間に流行した卒塔婆の一種である。情宗板碑には、
南無阿弥陀佛」の名号を刻みつけたものが多いか、
その名号には、楷書体のものと行、草書体の二系統か
みられる。
長生院の板碑は、緑泥片岩でつくられた武蔵型板碑
である。長方形の板状の頂部を山形にし、その下に二
条の切り込みを作る。身部には楷書体でつぎのような
銘文がきざまれている。
延文元年
南無阿弥陀佛 経阿弥陀佛
十二月三日
しかた
本阿弥陀佛百ヶ日為
南無阿弥陀佛 永和三年十月十七日
延文元年は一三五六年、永和三年は三七七年にあ
てられている。
この二基の板碑は、江戸時代末に遊行寺境内から発
掘された。
昭和四十一年一月十七日指定
藤沢市教育委員会