世の中桜
全讃史には「世の中桜、財田村石野にあり山桜の大樹
なり豊年の時は花久しくたもち凶年の時は、咲きて直
ちに散るといえり」と記録がみえる。伝説によれば大
同年間弘法大師が本山寺ご建立の時、当地に行脚しき
たり大師谷あたりから伐り出した材木をこの地に運び
出し天狗の力を借りて本山寺に運んだという。その際
弘法大師ご所持の杖をこの地に立てたところ、それが
芽を出し桜の花を咲かせたという。しかも、この花の
多少が五穀の豊凶、世界の隆替を占うといわれ、「世の
中桜」の名で知られるようになった。ちなみに昭和初
期には周囲約三・六メートル、高さ約七・二メートル
余りもあったと古老は語っている。
平成六年三月 財田町教育委員会
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