ocr-generated 長連寺 薬師堂
この薬師堂のある付近は字名長連寺といいますが、昔、こ
こには長連寺と云う大きな寺が建っていたそうです。これを
建立したのは織田信長に仕え、天正十年(一五八 岩村城
主となった森蘭丸であると云われていますが、建立してから
五・六年後、兵火のため焼失したと伝えられています。
医学の発達していなかった時代には火災の不安と同様、病
気に対する人々の不安は常に生活の中にありました。そうし
たことから神仏を頼り信仰することによって、それから救っ
てもらおうと、ここに薬師堂を建立したものと思われます。
薬師は薬師瑠璃光如来といい、人間世界の救主であって浄
瑠璃光で衆生の病苦を救う如来です。堂内の厨子に薬師如来
木像と他に仏像三体、弘法大師一体その他、閻魔大王とその
類と思われる木像十数体がありますが、大東亜戦争後何者か
によって銅製仏像を始め保存の文献等殆どが盗まれてしまい
造立の頃のことは不明であります。
坂本地区文化遺産保存会